豪雨の影響で大変な思いをされている九州の皆さんにお見舞い申し上げます。
私が講演等でよく伺うことのある福岡県内の市町村でも大きな被害が出ているようですし、多くの方が不安な状況だとお察しします。
私も福岡に住んでいますが、こちらでも激しい雨が続き、未だ予断を許さない状況です。
これ以上被害が広がらないことを願っております。
テレビやネットで報道される九州豪雨の様子を見ていると、とても重たい気分になります。
テレビやネットの報道と言えば、実は個人的に気分が重たくなるようなことがあります。
アンジャッシュ渡部さんの不倫降板騒動。
ユッキーナの恫喝/離婚/復帰/引退。
いわゆる著名人の「やらかし」に関する一連の報道です。
 
一言で言えば、
「いろいろ言うのはもう止めようよ・・。」

過ちを許せない人たち

渡部さんにせよ、木下優樹菜さんにしても、確かにとんでもないやらかしをしています。
そこは大人であり社会人ですから、自分が起こした不祥事にはきちんと向き合い、誰かを傷つけたことへの反省をしていただかなければなりません。
しかしテレビやネットで報道される量や内容を見るに「ここまでやる?」という行き過ぎた感じも受けますし、その報道を受けてのSNSで飛び交う罵詈雑言の嵐・・・。
これには閉口してしまいます。
テレビやネットといったメディアに乗った情報が、視聴者を焚きつけ、SNSで行き過ぎた攻撃に繋がっていく様は、5月に自らの命を絶った女子プロレスラーの木村花さんの一件を彷彿させます。
人には過ちもあるし、誤解もあります。
なのに全く関係のない人間が、自分勝手な正義感を掲げて罵詈雑言をぶつけに来るという状況・・・
木村花さんの件からそんなに時間も経っていないのに、本当に人間は学ばないんだなぁ・・・と悲しい気分になります。
自分勝手で周囲に配慮のない誹謗中傷・・・これは正義感ではなく、言葉の暴力です。

みっともない手本を子供に見せてはいけない

私は小学生から高校生までの学生に情報モラル講演でお話しする機会が多いのですが、
「他人を悪く言ってはいけない」
「相手を思いやること」
「言葉使いは技術だ」
といったことを毎回お話しします。
しかしそんな子供たちが家に帰り、スマホを見ると、いい大人が失敗者への執拗な責めの言葉を使いまくっている状況を目の当たりにするのです。
子供の見本となるべき大人がこんな状況では恥ずかしくないですか?
いい大人が、名乗りもせずネットで誹謗中傷や罵詈雑言を並べるようなことをしていては、子供たちに示しがつきません。
理由や程度はどうあれ、いい大人が誰かを完膚なきまで叩きのめす様子を今の子供たちや若者に見せちゃいけませんし、SNSで繰り広げられる「大人のみっともない手本」を子供たちに見せるべきではありません。
それに袋だたきに遭ってる渡部さんや木下さんの子供やご家族が心配です。

子供たちにインターネットやSNSに期待してもらうために

それからもう一つ。
インターネットやSNS上で誹謗中傷や罵詈雑言を投げつけることは、インターネットやSNSそのものを貶める行為だと考えます。
インターネットが普及し約20年、スマホやSNSが普及してからも10年が経過しています。
世界的にインターネットやSNSは社会の公共インフラであり公器となりました。
そして私たち一人ひとりと社会の接点でもあるわけです。
私たちの暮らしや仕事、人々のコミュニケーションなど社会活動全体を活気あるものにするためには、インターネットやSNSをより積極かつ効果的に活用するべきだと思います。
特にコロナ禍で、従来の常識が変わりつつある現在、テクノロジーを積極的に使いこなすことが求められます。
SNSでの情報リテラシー、簡単に言えば情報を読み取るチカラと伝えるチカラは、テクノロジーを使いこなす第一歩でしょう。
私たち大人は、インターネットやSNSで誰かを攻撃するために労力を使うのではなく、もっと有益なことに時間と情熱を注ぐべきです。
そのことで、社会におけるインターネットやSNSの役割が強化されますし、その結果、人間の喜びや楽しさを生み出すことができるのだと思います。
未来に期待できるようなインターネットやSNS、そして社会を作っていく姿こそ、今の子供たちに見せるべき大人の姿ではないでしょうか。
そんな大人の振る舞いを見た子供たちが、将来の社会に夢や期待を持ってくれるようになることを期待したいですね。
そう思えば、芸能人のゴシップネタに時間を割いたり一喜一憂している場合ではありませんよね?