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722日、日本でも位置情報ゲームアプリ「ポケモンGO」がリリースされました。

そもそもポケモンことポケットモンスターというのは、少年たちが様々なツールを使い、野生のモンスターを捕まえ、育てていくストーリーで、その過程において仲間との友情やペット的な存在のポケモンとのパートナーシップを育んでいくという群像劇でもあります。

私の息子が小学生の頃、ポケモンブームが来まして、息子もゲームボーイにかじりつきでやっていましたし、指導の要素も兼ねて僕自身もゲームをしていました。

夏休みには映画館でポケモン作品が上映されると、子供達と一緒に観に行き、映画館限定ダウンロードのポケモンをゲットしたりしてたもんです。

なぜ今回「ポケモンGO」が爆発的ブームを呼んだかといえば、現在のスマホ/ネットのテクノロジーが、ポケモンの世界観を(ほぼ)実現してくれたから。

もちろんモンスターそのものはバーチャルですが、街中に潜んでいるポケモンをレーダーで探し、ポケモンを捕まえる。そしてバトルなどを通して育成し、ポケモンも出世魚のように進化していくという流れが、スマホの位置情報や各種センサーを利用したAR技術の元で再現されているのです。

このポケモンGOについては、歩きスマホの助長やマナー悪化が問題になっており、一足先にリリースされたアメリカでも大きな社会問題になっています。

日本においても様々なトラブルが発生し、懸念も拡大しているようですが、一番の問題は「歩きスマホ」であり、外(社会)におけるスマホマナーにあります。

歩きスマホについていえば数年前から問題視されており、立ち入り禁止の場所に入ってしまうなどの問題はさらに大昔からあること。

そこで「ポケモンGO」のアプリを責めたとて、なんの問題解決にもなりません。日本では当たり前の通信手段となった「LINE」も同様で、「LINE」そのものを責めても何も変わりません。

問題は「ポケモンGO」や「LINE」を使っているユーザーマナーの問題で、未成年のことであれば、それを承認して与えた保護者の意識の問題です。

少し話が逸れましたが、見当違いな非難を受けないためにも、ポケモンGOユーザーは今以上のマナーとモラルを持って欲しいと思うし、自分の使い方が周りの子供達の手本になってしまうんだということを認識して欲しいと思います。

さて今回の「ポケモンGO」の人気を見て、改めてポケモンというブランドの強さを感じました。
恐らくは僕の息子世代~20代後半はポケモン世代だと思われますが、今の「ポケモンGO」ユーザーの様子を見ていると、大学生から20代、そして僕みたいなゲームに慣れ親しんだ40代辺りも多い感じがします。

つまり子どもの頃に接したキャラクターや遊び方というのは、自身の経験として刷り込まれ、感覚として染み付いてしまうということでしょう。
ガンダム然りウルトラマン然り、現在の大人をターゲットとしたマーケティングが成立するくらいですからね。

ポケモンの世界観が2016年の現在のテクノロジーで(半)実現化されたことで、ポケモン世代の心と脳裏に染み付いていたものが引き出されたのだとすれば、幼少期や青年期の体験が如何に重要であるかが改めて分かります。

「ポケモンGO」で非難を受けているメインユーザーは20代から40代。
でもそのユーザー層が子どもの頃はゲームがメインで、スマホがなかった世代。
「ポケモン」という要素だけでここまで社会を賑わしているのです。

ところが今は小学生でもスマホを持ち、中高生になると89割がスマホを持っている時代です。
そうなると
現在の「ポケモンGO」や、LINE、YouTubeの存在も彼らの中では日常生活している上での「習慣」や「常識」と受け止め、経験値として浸透していくのです。

そう思えば、今の子供達に手放しでスマホを与え、ネットに接する機会を与えることは慎重にしなくてはならないと改めて感じます。

果たして今の小学生が大人になる頃、一体彼らには何が染み着くのでしょうか?

スマホという道具の使い方はもちろん、ネットという情報メディアとの付き合い方、それらに囲まれた人間同士のコミュニケーションというものを、子供たちに指導しなくてはなりませんが、ポケモンGOの狂騒を見るに、改めて思いを強くしています。