サッカーW杯日本対セネガルの試合直前の盛り上がりに水を差すような事件が福岡で発生しました。

「ネット上で恨んでいた」福岡刺殺、出頭の男を殺人容疑で逮捕

201806251136分 西日本新聞

624日午後に福岡市中央区大名で講演していた40代のITセミナー講師が背後から数回刺され殺害されるという非常にショッキングな事件でした。

その後、反抗をほのめかす男性が交番に出頭したということで容疑者として逮捕されました。これから詳細が解明されて行くのだと思いますが、今回の事件はネットやSNSの怖い一面を示すものとなっています、

ネットでのトラブルからリアルのトラブルに発展するというのは過去にもあったことですが、ネット上に実名や立場を公表して活動している方、そしてある程度の影響力を持っている方が直接的な被害(しかも殺人)に遭うというのは大変ショッキングなことです。

SNS界隈では実名や顔を公開しながら活躍されているブロガーや講師の方がたくさんいらっしゃますから、そういった方々にとって、今回のようの事件はシャレにならないと悲痛に受け止めている方も多いことでしょう。

ネットで見ている限りでは、容疑者がブログ上で荒らし行為を繰り返したことへの対応(炎上とかアカウント凍結等)したことが、引き金になっているようですね。そもそも容疑者の男がブログ上で執拗に荒らしまくっていた状況に第三者のユーザーが絡んでの炎上が発生していた様子(そこで「低脳先生」と呼ばれるようになった)。容疑者の誹謗中傷は、被害者男性のブログにも及んでおり、その状況を記事掲載しただけみたいですね。そして被害者男性も都度ブログ運営に通報を行っており、その点で被害者男性に対して恨みを持ったのかもしれません。

容疑者にとっては「荒らし」に対する毅然とした対応が屈辱だったのかもしれませんが、被害者男性はとばっちりを食った形になり、これほど理不尽な事件はありません・・・事件の全容が明るみに出れば分かるのでしょうけど。

ネットは現実社会そのもの

今回の件で改めて感じたのは「ネットは現実社会そのもの」であるということです。

スマホとSNSの普及によりネットユーザーがどの年代にも広がり続け、「わかる人だけのネット」から「誰もが使うネット」となり、現実社会の一部として根付いています。

もはやネット上での発言は現実社会上での発言となり、好き放題に物事が言えない環境でなのです。

故にネットで自分が非難(否定)されていることを、現実として受け止めるからこそ、感情的になってしまいがちです。

さらにネットユーザーが増加するということは、考え方や意見も多様化するし、コミュニケーションの度合いも人それぞれというとても難しい状況でもあるのです。

それを思えば、特に実名や社会での立場を公開しているユーザーは、その発言の重さと責任を常に考える必要があります。

昨今テレビでもネットでも、物怖じせずズバズバモノを言う著名人が「よくぞ言ってくれた!」みたいな感じでもて囃される傾向にありますが、個人的にはどなたであってもモノの言い方と発言の影響力はしっかり考えるべきだと思います。

今回被害に遭われた方も、常日頃ではないにしても、何かのタイミングでキツイ言い方(表現)をしていたのかもしれません。それまでの経過があるでしょうし、「荒らし」や「クレーマー」に対して毅然とした対応することも理解できますが、結果命を奪われては元も子もありません。

現代のインターネットというのは、ある程度自由が必要な仕組みでもありますが、大勢の人が共有する「社会」となった今、自由以上に「制御」が必要なのです。

◼️今後のネット利用で気をつけるポイントは

今回の事件を受けて、私たちはどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか。

当然のことながら、自分が認められないからといって犯罪を犯すことは絶対間違いですから、やってはいけないことです。
凶行に及ばない「人間」としての指導やフォローはもちろん必要ですが、ネットにおける情報と感情のコントロールについてもしっかりとした指導をすべきだと思います。

そして相手を必要以上に煽らない環境や雰囲気をつくることも大切なことです。
今回の事件に触れ、「自分は大丈夫」だと思って俯瞰している人であっても、自分の発言が誰かを不用意に刺激していないか、と気にするべきだと思います。

つまり言葉は選ばなくてはならないということです。

もう一つのポイントは、付き合う人もしっかり選ばないといけないということでしょう。
現実世界でも気が合う人や苦手な人など、相手との距離感はそれぞれに異なります。ネット、特にSNSこそ「相手を見る」ことと「距離感を保つ」ことは必要です。
TwitterInstagramでいろんな人と繋がりを作るとか、Facebookなら実名だから安心して人脈ができる・・・なんていうのは、今時無防備過ぎる考えだと言わざるを得ません。
突然知らない人が現れることもあるだろうし、これまで仲が良かったのに態度が豹変することもあるかもしれません。
自分にとっての「荒らし」を呼び込まないためにも、ユーザーの繋がりにまで気を遣うべきだし、それが面倒なら鍵かけてクローズに楽しむしかありませんね。

「適切な言葉遣い」

「悩まない繋がり方」

この2点を意識することは、トラブルに巻き込まれないために、今後のネットやSNSの健全利用で必要なことだと思います。
相手あってのことなので、難しいことは重々承知ですが・・・。

 

さて私自身も今月来月と講演活動が続きます。
今後このような事件が起きないようにするためにも、ネット上での振る舞い方等についてしっかりお話しさせていただこうと思っています。