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交流サイトの性被害最多=18歳未満、上半期889人-警察庁集計(時事ドットコムニュース 16/10/20)

 

警察庁によれば2016年上半期に、ネットの交流サイトで出会い系トラブルに巻き込まれた青少年の人数が889名にのぼると発表しました。
2008年以降の集計と比較して過去最多の人数になるということです。
ここでの交流サイトというのは、ネットの掲示板やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を指し、中高生の多くが利用しているサービスです。

被害の深刻化で規制が厳しくなった、いわゆる「出会い系サイト」での性的被害は減少しているようですが、近年SNSが普及したこともあり、交流サイトまで含めた性的被害は増加する一方です。

なかでもツイッターがきっかけとなった被害が増えており、SNSが性的被害といったトラブルの入り口になっていることは間違いありません。
私も講演の中で、「LINEばかりに問題の目が向けられているけど、一番危ないのはツイッターである」ことは毎回お話ししています。
メールアドレスさえあれば簡単に登録ができるし、偽名でも可能なのでなりすましも作り出すこともよういにできます。
そのことが数字として証明されてしまいましたね。

さて記事に登場する交流サイトに中に「ぎゃるる」というものがあり、ツイッターに次ぐ原因となっています。
「ぎゃるる」はスマホに対応した交流サイトアプリですが、他のSNSと異なり、文字を並べて自己主張をするのではなく、ほとんど自分の写真や動画での自己紹介がメインとなっています。

さらにスマホの特性を活かし、位置情報を利用した「ご近所さん」の情報を見つけることもできます。
子ども達にとってはこの辺りが刺激的なのかもしれませんね。

また登録すべき個人情報が少なく、その結果、登録メンバーの信憑性も低いといえます。

アプリの利用規約を見ると、18歳未満の利用は禁止とされ、未成年者は保護者の同意が必要であると記されています。
また異性との出会い目的利用も禁止事項となっていますが、この報道を見ればその通りに利用されていないことは明白です。

ツイッターにしてもLINEにしても、そしてこのぎゃるるにしても、それを利用する青少年ユーザーの認識とモラルの問題が一番大きいように思えます。
スマホという「自分専用メディア端末」を持たせた結果、親の目を気にせず興味を追求しやすい環境を生み出し、そのことが青少年ユーザーのモラルを乱しているようです。

SNSは大人も日常的に使用する、現代のコミュニケーションツールです。
大人の我々が当たり前に使っている様子を見ながら、我が子達は育っています。
つまりネットやSNSの存在は、子ども達にとっては日常会話であり、世の常識、生活の習慣となっているのです。

そんな価値観が身についた子ども達が、道徳観念や情報モラルを学ばずにスマホを持ってしまえば、トラブルに対処できず(あるいはトラブルだと気付かず)、問題に巻き込まれてしまうかもしれません。

青少年の性被害というのは、かなり昔から存在していますが、現在はそれが起きやすい時代になっていると言えます。
改めて我が子を、そして社会の青少年全員がトラブルに巻き込まれないようにするためにも、今一度スマホとSNSの時代の子ども達を見つめ直す必要があります。