新型コロナウイルスの影響は、世界中を巻き込む一大事となっています。
私自身も3月、そして4月に予定されていた講演や講座関係もすべて中止となりましたので、年度末でありながら、穏やか、だけどなんだか落ち着かない日々を過ごしています。
さてそんな今、寝る前はカミュの「ペスト」を読んでいます。
大昔に一度読んだことはありますが、新型コロナウイルスに人々が右往左往している今、改めて読むべきだと思い、本屋さんに行くとなんと売り切れ。
今世界中でカミュの「ペスト」が増刷されているそうです。
コロナ騒動で激売れする小説「ペスト」の中身 東洋経済オンライン(20203.8)
「ペスト」は73年前の小説ですが、読んで分かることは、結局人間とウイルスの戦いとは、「自分自身との戦いである」ということ。
インターネットやSNSがあろうがなかろうが、有事の際に自分自身がどのように受け止め、どのように考え、どのような行動を起こすのか・・・この判断は本質的には自分自身にあるということを感じました。
国のせいかもしれない。
政府のせいかもしれない。
他人のせいかもしれない。
しかしそれを踏まえた上で、自分自身がどのように行動を起こすのか、ということが一番大切なのでしょう。
まずは自分の健康(生命)を守ること、そして生活を守ること、さらに他人に迷惑をかけないこと・・・しっかりとした気持ちを持ちながら、日々すべて行うのは結構大変なことです。
SNSでは、「誰の発言は間違ってる!」とか、「こんな時にあいつは何をしてるんだ!」みたいな発言が世界中で一日中飛び交っていますが、そんなことに構ってる暇はないんだって!
社会構成員の一人として、自分がやるべきこと・・・せめてできることを積み重ねていくべきだと思います。
70数年後、2020年を予言するような「ペスト」を読みながら、人間社会の不条理というものは根深いものなのだと改めて感じますが、発達したはずの「現代の情報通信」は、そこに生きる人々の思いや行動を正しい方向に導いてくれることを期待しています。
そして情報を扱う者として、自分の行動を意識したいと思います。
手洗い、マスク、社会要請の遵守、そして冷静なSNSでの情報受発信ですね。