なんのためのインスタ映え?

 

そう思えばなぜInstagramが若者に人気があるのか?
なぜインスタ映えにこだわるのか?の理由が朧気ながら見えてきます。

今回の番組のインタビューでも登場していましたが、リアルの友だちのSNSは常にチェックすることは結構当たり前のように行われています。

友だちが日曜日にどこに遊びに行ったのか・・・
友だちは誰と一緒に遊びに行ったのか・・・
友だちはどんな服を着ているのか・・・

本音をむき出しにできる(と思っている)裏アカウントであれば、友だちの交流関係や、さらには自分のことをどう思っているのか?みたいなことまで気にしているかもしれませんね。

つまりSNSに登場する友だちの姿や態度を見て、

「それに比べて自分はどうなんだ?」

という、現在地点と友だちとの距離感を確認したいのかもしれないということです。

その辺り、写真が主役のInstagramでは相手が見えやすく、わかりやすい「距離発見器」ですね。
逆に自分が常に先頭である、一番である、優位な位置にいることを伝えたい人は、SNSにガンガン投稿するでしょう。

「インスタ映え」とは、即ちマウンティングのための技になってしまったのかもしれません。

SNSのマウンティングは若者だけではない

自分以外の何者かと繫がるツールであるSNSは、同時に自分の立ち位置を無意識に確認するための秤になっているというお話しですが、これは若者に限った話ではありません。

プライベートでも、ビジネスでも、SNSを通して自分の方が優位であると確認したり示したりするということは、むしろ大人の世界の方が当たり前と言えるでしょう。

TwitterやInstagramを見渡せば、内容は異なれど、自分の主張を通そうとしている姿はたくさん見受けられます。

つまりは他人や世の中との距離感を測りながら、自分のポジションを確認したいという思いは、社会に生きる人間としての欲求なのかもしれません。

今の子ども達にSNSをどう伝えるかが課題

今回の番組で採り上げられた「若者にとってのSNS」では驚かされたことも多々ありましたが、よくよく考えれば「若者特有」なのではなく「人間特有」な欲求であることに気づかされます。

今の若者もこれからどんどん社会に出て、いろんな人と出会い、様々の経験を積むことで、心情や考え方も変化していくと思います・・・

「あの頃は若かったよねぇ〜」みたいな(笑)

ただ私たちが確認すべきことは、若者がSNSという当たり前の交流ツールで、無意識に欲求を満たそうとしているという点です。

私も講演の際に度々お話しするのですが、LINEやTikTokのような新しいサービスが登場すること自体は問題ではありません。
一番気にするべきことは、その新しいサービスが普及し、多くの人の生活に染み込んでいった時のことを考えることなのです。
その結果、新しく「当たり前」になったサービスは、私たちの従来の「当たり前」をどんどん上書きしていきますし、子どもたちの常識として定着します。

今回の番組で採り上げられた若者のSNS利用というのは、若者にとっては常識なんですよね。

SNSに馴染みのある若者にとっては、冷静に使えているようで、感情的になりやすい使い方をしているのではないかと考えていますので、若者予備軍・・・つまり今の子ども達には、SNSという存在について、的確な指導が必要になってきます。

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