前回の記事では、これからの情報モラル教育において、SNSのリスクだけを訴え、否定することはナンセンスであるということをお話ししました。

前回記事:SNSの醍醐味を伝えることは必要か その1

つまりSNSのメリットを理解し、そのためにリスクやトラブルを回避する策を指導することが、実質的かつ早道であると考えています。

今回は前の記事を受けて、私自身がSNSをどのように利用しているかの事例をご紹介し、SNSのメリットの一端をご紹介したいと思います。

レコードや音楽のイベントの仕事をしているドゥニ

ドゥニはフランスのパリ在住で、パリを中心にレコードのイベントを主催したり、香港の友人達とレコードレーベルの運営も行っています。
昨年パリに行く際に、私が趣味であるレコードコレクションのため、レコードショップをインターネットで探していました。
その際に見つけたレコードイベント主催者に問い合わせたところ、応対してくれたのがドゥニでした。

そして昨年パリでのレコードイベント会場にてドゥニと会うことができました。
私自身は恥ずかしながらフランス語をほとんど話せません(笑)ので、フランス語講師である妻が連絡と通訳をしてくれましたが、そんな私にもフランクに接してくれました。

以降はFacebookWhats Upで繋がりができ、そして今年もパリで再会することができました。

そして彼が主催するレーベルのレコードをプレゼントしていただきました。

それでもなんとかコミュニケーションをとりたかったので、知ってるフランス語と英語を織り交ぜ、みんなでディナーを楽しみながら、パリの夜を過ごしました。

ドゥニも今年の夏に来日するらしいので、また日本で会えることを楽しみにしています。

日本のゲームや文化が好きなマティアス

フランスでは日本の漫画やアニメが人気です。ドラゴンボールやセーラームーン、聖闘士星矢等々・・・しかし日本やアジアでは一定のファン層がいる「ガンダム」はフランスでは知名度が低いそうです。
テレビで放映されていないことが要因ではあるようですが、「ガンプラが好きなフランス人に会いたい!」ということで、「Hello Talk」という言語交換型SNSで、ガンプラファンを募りました。
そこで繫がったのがマティアスでした。

マティアスは日本のゲームやキャラクターが大好きで、日本語を勉強するほどの熱心さ。そして日本にも5回ほど訪れているそうです。
彼ともSNSで連絡を取り合い、今回の渡仏時に会うことになりました。

私はお土産として最新のガンプラと、チコちゃんのナノブロックを持って、シャンゼリゼに済むマティアスの家に遊びに行きました。
彼の自宅では日本の古いゲーム機などのコレクションを見せてもらい、それから一緒にガンプラを作りました・・・スゴくないですか、これって。

その後、近くの公園でランチをしながら話をしましたが、マティアスが日本語を話せることもあって、初対面ながら楽しい時間を過ごすことができました。

マティアスもまた今年の夏に日本に来る予定だそうです。

SNSの醍醐味は「知らない世界と繫がること」

SNSで繫がったフランスの友人2人について簡単にご紹介しました。

実は私がTwitterFacebookで期待していたことは、世界中の人と繫がることでした。
言葉の違いはあれど、世界中の人とリアルタイムで交流ができるというのはとても刺激的だと感じたからです。

紹介した2人は音楽とガンプラという趣味の接点があり、言葉が通じなくても何とかコミュニケーションをとりたいと思う・・・そのためには片言のフランス語でも通じることができるのです。

日本ではSNSが普及するに従い、日常の社会生活と密接に繫がった「コミュニケーションツール」となりつつあります。
それ故に、リアルな人間関係とSNSによる不完全なコミュニケーションがトラブルを起こす要因にもなっています。

何かもったいない気がするんですよね。
折角の機会が自分の手のひらの中にあるのに、半径数キロ以内の人との交流にしか使わないというのは・・・。

現在若い人にはマストなSNSInstagramなんかは最もSNSの醍醐味を味わえるSNSです。
写真が主人公のInstagramには言語は必要ありませんから、世界中と繫がることは簡単にできるはずです。
でもそんなことまで考えてInstagramを使っている若者はどれくらいいるのでしょうか。

SNSの醍醐味は、絵日記的な使い方や、電話やメールに変わる連絡ツールでは無く、自分が知らない世界と繫がることだと思います。

次回は、そんなSNSの醍醐味やメリットを、今後の情報モラル指導にどのように活かすかについて記したいと思います。