前編ではYouTube Kidsのインストールまでの流れをお伝えしました。
後編では、それぞれの内容の簡単な説明と、YouTube Kidsが子ども達に与える影響について触れたいと思います。

 

YouTube Kidsの画面を見てみましょう!

最初にログイン画面が表示されます。ある程度の設定は完了していますが、ここでも各種設定や視聴時間を制限するタイマーなどを設定することができます。
まずは「ログイン」をタップしてみましょう。

もうこの時点では子どもが使っているわけですから、この画面では最初に入力した子どもの生まれた年を入力します。

生まれた年を入力すると、確認のダイアログが表示されますので、間違いなければ確認をタップします。即ちここで確認を押した時点で、適切で内映像によるトラブルは自己責任だよって言われてるみたいなもんですね。

さていよいよYouTube Kidsのメイン画面です。上部に4つのアイコンが並び、その下に動画のサムネールが並んでいるという非常にシンプルな作りになっています。
軽快なBGMもあり、気分はポータブルゲーム機です。
アニメ・ドラマのアイコンではアニメやドラマの(恐らく)公式動画が並びます。

さて「おんがく」を選ぶと、単に歌番組だけではなく、ダンスの振り付けなど、退屈しないコンテンツもあるようですね〜

「まなぶ」はNHKのEテレみたいな学習内容の番組が登場。セサミストリートなんかもこのチャンネルで登場します。
ここにEテレの内容が登場するようになったら、それはそれで価値があるような気もしますね。

「はっけん」を選ぶと、オールジャンルというかいろんなジャンルの動画がランダムに並んでいます。面白そうな動画をなんとなく眺めて探すような雰囲気ですが、あまり子ども達にはダラダラと見せたくないですね。
画面の右上にある赤い虫眼鏡アイコンをタップすると、いわゆる画像検索ができます。
しかし初回設定で「検索オフ」にしている場合は、アイコンはグレーになり、検索はできません。

検索する場合、例えば「じどうしゃ」と入力してみると・・・

自動車や乗り物に関する動画が表示されました!
早速再生してみると・・・

なお動画再生中に画面をタップすると、他の類似した動画を選ぶこともできます。

YouTube Kidsに心配は無いのか?

長くなってしまいましたが、以上がYouTube Kidsの概要です。
未就学児から小学校低学年に向けた動画コンテンツとしては、シンプルでそつなくまとまっている感じがします。
検索機能のオン・オフや視聴時間制限など、まぁ最低限の子ども向け設定もあるということで、案外小さな子ども達には受けがいいかもしれません。

さてこのYouTube Kidsですが、親として、大人としてみたときに問題や気になる点はないのでしょうか。

子どもとインターネット動画を取り巻く状況から生まれてきたコンテンツということで、当然問題が起きにくいことを前提に設計されていると思いますので、使用設計や提供される動画などには今のところ過剰に気にしなくてもよいと考えます。

ただ僕が心配なのは、「小さい子どものお守りをスマホやタブレットにさせる」という風潮が強くなったりしないかということです。
YouTube Kidsの機能が「安全なら大丈夫!」という、妙な安心感を助長しないかという点については気になりますね。

基本的に長時間動画を見せたりゲームをさせることは、子どもの生活習慣や態度を根付かせるために良くないと思います。
ましてやスマホやタブレットでの視聴になると、テレビのそれと比較になりません。家でも(環境があれば)外でも、どこでも移動して気楽に視聴できる環境では親や大人の目が行き届きにくくなります。閲覧時間の制限をしていたとしても、子ども達は怒られるまで、やり続けるでしょう・・・これがメディアのパーソナル化の怖いところです。

見ている動画の内容が安心・・・とか、勝手にアップロードできないから大丈夫・・・

ということではなく、子ども達の基本的な生活習慣を損なうような接し方をさせてはいけないということです。

ネットは進化する。 人間はどうだ?

すでに現在の小学校4年生辺りは「YouTubeはインターネット」であることに意識はありません。テレビやゲームと同じく、当たり前の情報メディアとして彼らの常識に組み込まれています。
それは幼少の頃からインターネットが当たり前の時代に育っているわけですから当然なのですが、その生活習慣が社会人になる時の素養として悪影響が出ないようにしないといけません。
しかしその悪影響らしきものが、現在の若者がネットで起こすトラブルに繫がっているように思えてしょうがないのです。

「子ども向けだからずっと見せてても安心」等と思わず、我が子が社会人になるための準備として、小さい頃から生活習慣を守る努力を一層意識していただきたいと思います。

親の指導と正しい利用により、インターネットの活用はその効果を発揮すると思いますし、近い未来を生きていく上で必要な力となるでしょう。
このYouTube Kidsというのは、子ども達をしっかりとした社会人になってもらうための「インターネット側からの提案」だと思います。
私たち親や周囲の大人はどうするべきなのでしょうか?

次は私たち大人が責任あるアクションを起こす番です!