はじめに
株式会社伝えるを考えるでは、情報リテラシーや人権講演、シニア向けのスマホ講座など、公民館等の地域に根付いた啓発活動を数多く行っております。
その際に、公民館を始め、地域の諸団体の方のお話を伺うと、それぞれの地域で様々な特徴がありながら、課題の多さに気づかされます。
ネット社会における情報リテラシーを通して活動している弊社でも、なにか貢献できることはないだろうか・・・
そういう思いもあり、今年度は講演事業の一環として、地域の活性化や世代間交流、あるいはシニア層の社会参加など、地域の課題を少しでも解決するための地域貢献事業を展開することをなりました。
そのプロジェクトの一つが、これからご紹介する生成AIを活用した「校区大図鑑」プロジェクトです。
「校区大図鑑」とは
地域には、かけがえのない歴史や思い出、そして住民一人ひとりの声があふれています。
しかし、それらは記録されることなく、世代を超えて受け継がれることなく消え去ってしまうことも少なくありません。
また地域の記念誌や資料も、一度作られるとそのまま活用されずに眠っているのが現状です 。
こうした課題を解決し、地域を活性化させる新しい取り組み、それが「校区大図鑑プロジェクト」です。
このプロジェクトは、生成AIを活用し、地域の記憶を未来へつなぐ画期的な試みです 。
住民みんなで情報を集め、育てていく「生きている百科事典」を通じて、世代を超えた交流を生み出し、地域の絆を深めていきます 。
私たちの地域が抱える課題を解決するために考案されたのが、「校区大図鑑」です。
これは、貴重な歴史や個人の思い出が失われていく「地域の記憶の薄れ」 、高齢者と若者が交流する機会が減る「世代間の断絶」 、そして、せっかく作られた資料が活用されずにいる「眠っている情報」 といった問題への解決策となります 。
このプロジェクトは、地域のあらゆる情報を蓄積し、いつでも誰でもアクセスできる仕組みを提供します 。
成長し続ける地域図鑑
「校区大図鑑」は、生成AIを活用した、まさに「成長し続ける」地域図鑑です 。
住民の皆さんから集めた思い出話や歴史資料、広報誌などの多様な情報が、生成AIによって学習され、知識のハブとして形成されます 。
これにより、「昔の〇〇は?」といった質問にスマホから気軽に答えを見つけられるだけでなく、イベント企画のアイデア創出や多言語での情報提供にも活用でき、地域の力を高めることができます 。
校区大図鑑の活用例
「校区大図鑑」は、様々な目的で活用できます。
地域に住む人が地域の魅力を再発見したり、地域の成り立ちや歴史を学ぶきっかけになったりします 。
また、転入を検討しているファミリー層への参考資料としても役立ちます 。
集積された情報は、音声や動画としてQRコードから簡単に視聴できるようにしたり 、公民館で閲覧できるようにしたりと、さまざまな方法で共有・活用が可能です 。
住民全員で育てるプロセス
このプロジェクトの最大の魅力は、住民みんなで作り、育てていくプロセスにあります 。
住民が集まって思い出話を語り合い、その会話を録音・テキスト化します 。
そして、その情報と既存の資料を専用のAIに投入することで、いつでも引き出せる知識の「大図鑑」が完成します 。
このプロセスは、地域住民の主体的な参加を促し、図鑑が「成長し続ける」ことを可能にします 。
データの集め方
では、具体的にどのようにデータを集めるのでしょうか?
公民館からの呼びかけや公民館だよりを通じて、シニアの方々の思い出話を雑談形式で録音したり 、学校や町内会と連携して情報を収集したりします 。
公民館の資料や記念誌、古い写真などもスキャンしてデータ化し、テキスト、写真、データなどさまざまな形式で生成AIに投入していきます 。
プロジェクトが目指すゴール
このプロジェクトが目指すゴールは3つあります。まず、地域の歴史と文化を「記録する」ことで未来へ継承すること 。
次に、情報を通じて世代間の対話と交流を生み、「繋がる」こと 。そして、自分たちの手で歴史を紡ぎ、地域への愛着を深め、「育む」ことです 。
これにより、地域のつながりや会話のきっかけが生まれ、コミュニティの維持、さらには防災力の向上にも貢献します 。
利用する生成AI 「NoteBookLM」
このプロジェクトの核となるのは、Googleが提供するAIツール「NotebookLM」です 。
NotebookLMは、ユーザーがアップロードした特定のドキュメントに基づいて学習・整理を行う、専用のAIを構築できます 。
住民の思い出話や歴史資料、写真、公民館だよりなど、投入された情報だけを元に知識を学習・整理するため、安心して地域の情報ハブとして利用することができます 。
「地域大図鑑プロジェクト」は、地域の記憶を守り、世代を超えた交流を生み出す、持続可能な取り組みです。
校区自治協議会の協力と外部コーディネーターの活用、さらにはデジタルボランティアや学生との連携も視野に入れています 。
公民館や行政の皆様には、ぜひこの構想を共有し、住民への呼びかけや資料収集にご協力いただきたいと考えています 。
このプロジェクトを通じて、地域の魅力を再発見し、未来へつなぐ第一歩を踏み出しましょう。
プロジェクトに興味がある方は、お気軽にお知らせください。
お問い合わせ
株式会社伝えるを考える
担当 置鮎正則
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