皆様こんにちは。
株式会社伝えるを考えるの置鮎です。

私が青少年のスマホやSNSを中心とした情報モラルの啓発講演を始めて12年が経ちました。

これまでも多くの学校や教育関連団体にて、講演会という形でお話しさせていただきましたが、変わっていないのは、「危ない!ダメダメ!」というだけの指導は、指導ではない!ということです。

あと時々感じるのは、「これだけスマホを持っているんだから、正しい使い方を教えるしかなんだよね・・・」という、しょうがないという雰囲気ですね。

これでは子どもたちが話を聴こうとも思わないし、せっかく機会を設けても、理解してもらえないと思っています。

例えば子どもたちに自転車の乗り方を教えるときに、怪我や事故の危険性ばかりを伝えることはないと思います。

子どもたちが不安そうであれば、後ろから支えたり、時にはあえて手を離し、自分自身で自転車を漕ぐことができるまで見守っているのではないでしょうか。

それなのにスマホやネットに関しては、メリットを説明せず、デメリットばかりを話していることが多いし、それが「情報モラル指導」だと思われている方もいらっしゃいます。

本来の情報モラルは、目的を提示し、メリットを伝え、目標に達するまでのプロセスを理路整然と伝えることだと思っています。

そんな書き方すると、「難しい」とか「理想論だ」と不安になる方がいらっしゃるかもしれませんが、親が分からなければ、子どもと一緒に学べばいいのです。

特に数年で常識が変わるインターネット関連については、大人の私たちでさえ変化について行くことは大変ですよね。

ですから、親や大人の「上から目線」を一旦忘れて、子どもたちや、周囲の大人同士と一緒に学び合うことが大切です。

そのためにも、保護者の皆さんや指導する立場の方々には、「スマホあるいはインターネットのメリット」について理解していただきたいと思います。

YouTuberは楽しい?

インターネットの最大のメリットは、瞬時のうちに情報を共有できることです。

これはネットでニュースや有益な情報を入手するということもありますし、メールやLINE、今ではZoom等を使って、お互いのメッセージを伝え合うことも容易にできます。

これらはすべて「情報の共有」です。

SNSの登場は、この情報共有を個人レベルで身近にしましたが、さらに素晴らしいのは動画共有の存在です。
YouTubeやTikTokが代表的ですが、これらの動画共有サービスは、本来最高レベルの情報共有サービスなんですね。

例えば私の話で恐縮ですが、私は個人的に音楽に関するYouTubeチャンネルを開設しています。

なんだったんだ?80’s

https://www.youtube.com/c/whatis80s

私は学生時代から音楽が大好きで、当時はラジオを聴き、レコードやCDを買って音楽作品を楽しんでいました。

私がティーンエイジャーだった80年代の音楽について、

多くの人に伝えたい・・・
新たに音楽作品を知るきっかけとなれば・・・

という思いで、この2年、動画をせっせと作り、公開してきました。
先日、公開した動画はなんと100本目となりました。

チャンネル登録者数や再生回数はそこまで多くありませんが、福岡在住のアラフィフのおじさんの動画が、インターネットを介して世界中に共有されているのは凄いことだと思います。

(時々講演先の学生さんなんかが、SNSを通してコメントいただくこともありますw)

ただYouTubeに動画を公開するということは、同時に情報に対する責任が発生するということなのです。

「誰も見ていないだろう」ではなく「誰かが見ている」という意識の中で撮影していますし、嘘や不確実な情報を発信しないためにも、事前に企画を練り、下原稿まで書いています。

つまり情報発信が容易になった分、責任は重たくなったということなんですが、それはメリットを享受するために必要なことであり、いわゆるルールの元になるところなんですね。

情報発信には責任が発生するため、それなりの意識が必要になるんですね。

怖さを感じさせることは指導ではない

社会では、多くの大人たちもスマートフォンを使い、インターネットを利用しています。

ほとんどの大人が、「情報共有」というメリットを享受するためにこれらのサービスを利用しているわけですが、この目的やメリットを、子どもたちに手本として見せることができているのでしょうか。

私は、親や指導者といった「社会人としての先輩である大人」が、そのことを理解できていないのでは?と感じることがあります。

子どもたちは、身近な大人の発言や行動をしっかり見ていますし、それをまねることで社会性を身に付けていきますが、大人の私たちは手本になれているのでしょうか?

私は世の中の大人が、スマホやネットの目的を正しく理解し、意識しながらメリットを享受する・・・つまり楽しい姿をもっと見せるべきだと考えています。

しかし残念ながら、その大人たちはSNSやネット上でトラブルに悩まされたり、使い方が分からないことを当然のように言い放ちます。

そんな大人の残念な姿を見せてしまっては、情報モラル指導なんか効果半減だと思います。

ひょっとすると、子どものネットの問題は、「大人のネット問題」そのものが原因なのかもしれませんね。

ましてや危険!ダメ!ばかりを連呼するような、怖さを植え付けることは、もはや指導ではないと思います。

楽しい姿はあるべき姿

ここで、私のYouTubeチャンネルの話に戻りますが、私は好きなことをYouTubeを使って楽しそうに情報発信している姿を子どもたちにも見せたいと思っています。

楽しそうな姿を見れば、子どもたちに前向きな気持ちを起こさせるでしょう。
(僕の動画はおもしろい、楽しい雰囲気ではありませんがw)

そして「情報発信の責任」を果たしている姿を見せることこそが、最強の情報モラル指導だと考えています。

・必ず誰かの目に入ることを意識すること
・一度公開した動画や情報は消せないこと、

これらのことを踏まえて

・言葉遣いや態度に気をつけること
・社会に迷惑をかけない内容であるかを考えること

もちろん、これは動画に話に限らず、SNSやゲームにおいても同様のことが言えます。

楽しく、便利にスマホやインターネットを活用できるスキルは、メリットや目的があることを理解させることが大事です。

それを達成するために、どういうことに注意するべきかを指導する、あるいは親子で一緒に考えることができれば、今の子どもたちが大人になったときのSNSトラブルは減るのではないかと思います。

再度いいますが、子どもたちは家族や大人の行動を見て学びます。
しかめっ面しながら、不安な姿を見せることは逆効果です。

メリットを伝える、楽しさを伝える情報モラル指導を実践みませんか?