いよいよ今週末で3月が終わり、平成30年度が締めとなります。
4月になれば新元号の発表が行われるということで、例年にもまして希望を抱く新年度が始まるのでしょう。
平成30年度もたくさんの自治体や学校、企業から情報モラル講演の機会を頂きましたが、感想を一言で言わせて頂くと、
「ネットに対する子どもの認識と大人の認識のズレが大きくなっている」
といったところでしょうか。
私は小学生からシニアに至るまで幅広い年代に向けてインターネットやスマートフォンに関するお話しをしているのですが、ネットが日常生活の習慣として染み込んでいる子どもたちに対して、親や学校の先生、そして周囲の大人たちの認識は、以前の携帯ゲーム機や携帯電話の時代からそれほど変わっていません。
・スマホをできるだけ使わせない
・家庭内のルール決め
という何ら進歩のない処方を提示することに安心し、「今時の子どもたちに使うな!といっても使うんだからしょうがない」的な「分かっているようで分かっていない」理解と認識が、子どもと大人の理解の乖離を生んでいるように思えます。
今の子どもたちに何を伝えるべきなのか
私は一昨年度より、スマホやネットの危険性を訴えることよりも、スマホやネットを正しく利用することを知ること、つまりこれからの超情報化社会を生き抜く「将来の社会人スキル」を伝えることに軸足を置いています。
講演や授業で接する子どもたちから感じることは、「正しく使うこと」と「自分らしく使うこと」がごちゃ混ぜになっているのではないかということです。
子どもたちがネットトラブルに巻き込まれたり、日常のトラブルをネットで拡大させてしまったり、いろんな問題が噴出しています。
子どもたちからの声やアンケートを信じるなら、現在の小中高生はネットに対して「非常にピュア」であると感じています。
要は「知ってるようで知らない」のです。
そして社会人として未熟な年頃だからこそ、トラブルに直面するということですね。
良くも悪くも「ピュアさ」が裏目に出たのが、この数ヶ月の間に報道でも大きく取り上げられた「バイトテロ」です。
単に友人に向けた受け狙い投稿が、誰に見られ、どのように受け止められているのかを想定できていない無防備さを感じます。
子どもたちにはネットやスマホのメリット、デメリットをしっかり伝え、自分なりの活用方法を考える(想像する)ことを分かって欲しいと思っています。
さて、社会人の先輩である私たち大人は何をするべきなのでしょうか?
「伝えるを考えるプロジェクト」としては、この答えを導き出すヒントをいくつか携えて、次年度の講演活動に臨みたいと思います。
親の立場、家族の立場、先生の立場、上司の立場・・・・
子どもたちにとって大人の姿は様々ですが、子どもたちを将来の社会人に育てるための役割はそれぞれに存在します。
講演や研修などの機会に、そこで出会う皆様と情報と想いを共有し、一緒に対応を考えることができればと思っております。
4月以降もよろしくお願いいたします。