国内でもっとも多くのユーザーを抱えたSNSといえばLINEです。
ユーザー数が多いだけでなく、日常の連絡ツールとしてメール以上に定着していますので、LINEが提供する新たなサービスというのは多くのユーザーに影響を与える可能性があり、常に注目しないといけません。
そういう中、8月19日に新しいLINEのサービスが正式公開されました。
LINE オープンチャットです。
オープンチャットはその名の通り、多くのユーザーに公開されたチャットグループであり、LINEでお馴染みのLINEグループの拡張版とも言えます。
従来のLINEグループがクローズドなコミュニティなので、LINE友達同士あるいは友達の友達の範囲でコミュニケーションが行われています。
つまり友人知人の集団であることがほとんどです。
今回のオープンチャットは、一般公開されたLINEグループという位置付けで、LINEでの繋がりとは関係なく、いろんなユーザーが接する場となるわけです。
オープンチャットグループを作るのは簡単で、LINEアプリのトークタブの上にある新規作成ボタンをタップすることでトークルームを開設できます。
既成のトークルームに参加したい場合は、トップ画面に表示されるおすすめトークルーム(ピックアップ)をはじめ、検索で該当するトークルームを見つけたら、簡単に参加することができます。
しかしこの記事を書いている8月22日現在、LINEオープンチャットにアクセスしても、ピックアップは表示されず、トークルームの新規作成しかできないようになっています。
検索もできないようですので、実質的にはクローズ状態になっていますね。
ですので、トークルームは作れるけど、参加ユーザー集めは当面地道で人力なものになりそうです。
そもそもLINEグループとの棲み分けが微妙というか難しいですし、LINEでの登録名とは別のユーザー名が作成できるため、「匿名ユーザーが誰でも集える」という無法コミュニティになってしまうのでは?という懸念もあります。
LINE側もNGワード設定など出会い系や犯罪等に悪用されないよう注意喚起を行なっていましたが、大きなトラブルが起きる前に早目の対処を行なったのでしょう。
10年くらい前のインターネットで無法地帯のイメージが強かった2ちゃんねる(現5ちゃんねる)では、ある程度ネットに詳しいユーザーの集まりでしたが、現在のLINEユーザーの多くは一般ユーザーで、ネットに詳しくない方も大勢いらっしゃいます。
それに中高生など子供や若者も多いのですからね・・・。
SNSの適切な利用をまだ知らないマジョリティ集団に、このようなオープンかつフリーな空間を気軽に作らせるのは、心配と懸念しかイメージできないというのが正直なところ。
恐らくは、より活気のある、開かれたコミュニティ空間を提供しようという狙いだとは思いますが、未だユーザーのネット(コミュニケーション)リテラシーが十分ではない現在では、些か拙速な感じがします。
まぁユーザーが待ち望んだサービス・・・とも思えませんし、多くのユーザーを抱えるコミュニティープラットフォームですから、その辺りをしっかり考えていただきたいし、対策してほしいと思います。
それだけLINEの影響力は大きいということですね。
現時点で半休状態といえるLINEオープンチャットが、再度全公開されるタイミングは未定ですが、デマや暴言が平気に飛び交う現在のリスクを見据え、トラブルを未然に防ぐ、しっかりとした対応を練っていただきたいと思います。