さて前回の記事でSNSのこれまでについてお話ししました。
それでは「SNSのこれから」はどうなっていくのでしょうか。
それはSNSが担う役割を考えることで見えてくるのではないかと思います。
元々SNSというのは、ユーザー同士の連絡あるいは共有を目的に生まれた仕組みです。
少しややこしいのは、「連絡」も「共有」も「コミュニケーション」という括りで認識されている側面があることです。
ここでは機能的な役割として区分したいと思います。
連絡ツールとしてのSNS
人々の連絡ツールという見方をすれば、恐らくLINEを代表とするメッセンジャータイプのSNSはさらに根付くと思われます。
電話やメールが過去の遺物的存在になるのは遠い将来の話ではありませんね。
一方でメッセンジャータイプSNSは今以上の技術革新が求められていないようにも思えます。
例えばテレビ電話機能はかなり前からありますが、一般的に普及しているとはいえません。
海外との連絡であったり、ビジネス活用の域を出ていませんからね。
すでに多機能でシンプルなLINEを上回るメッセンジャーアプリは必要ないのではないでしょうか。
情報共有ツールとしてのSNS
それでは情報の共有という見方ではどうでしょうか。
そもそもインターネットの最大の産物は情報の共有だと思いますので、数多たるWEBサイトの存在は、それだけで価値があります。
SNSが登場した時も、ユーザー同士の繋がりにより情報の共有はさらに進むだろうと言われ、確かにそういう状況になっています。
しかしSNSによる「情報の共有」は、システムとして我々の生活を大きく変えたかといえば、そうでもありません。
単に井戸端会議の内容が手軽でわかりやすく伝わるようになったくらいのことで、情報の流通自体が大きく変わったとは思えません。
SNSの普及から変わってきたことで最も分かりやすいことは、情報の拡散力でしょう。
即時性、速度、範囲のどれを取っても従来の情報メディアをはるかに上を行きます。
これには良し悪しもあるので、SNS上で流通する情報の精査はこれからの課題です。
そしてSNSは「誰が発言しているか」による共有情報への信頼度を付与します。
玉石混交のインターネット情報を、信頼できる他人・・・家族、友人、専門家など誰が発信しているかにより選別できるようになったということです。
特に実名登録のFacebookではそういった雰囲気が定着していますし、匿名でいいはずのTwitterにて実名や社会的立場を公表しつつ、意識して情報発信する方も増えています。
情報共有としてのSNSは、情報の「拡散力」を生むプリズムであり、「信頼度」を決めるフィルターになっているのでしょう。
ー続くー